AIでどの業務を効率化できる?名古屋の中小企業で考えられる活用例10選
「AIを導入すると、具体的にどの業務を効率化できるのだろうか」
「ChatGPTは文章作成以外にも使えるのだろうか」
「自社の業務にAIを活用できるか知りたい」
このような疑問を持つ名古屋の中小企業経営者は少なくありません。
AIは、メールや文章を作成するだけの道具ではありません。
電話受付、経費処理、顧客管理、社内文書検索、営業支援、データ分析など、さまざまな業務に活用できます。
ただし、AIを導入すれば、すぐにすべての業務を自動化できるわけではありません。
重要なのは、現在時間がかかっている業務を整理し、AIに任せる部分と、人が確認・判断する部分を分けることです。
本記事では、名古屋の中小企業で考えられるAI活用例を10種類紹介します。
AIによる業務効率化とは
AIによる業務効率化とは、人が行っている作業の一部をAIに支援させ、作業時間、入力ミス、対応漏れなどを減らすことです。
AIが得意なのは、主に次のような処理です。
- 文章の下書きを作る
- 長い文章を要約する
- 文章から必要な情報を抽出する
- 情報を分類する
- 画像や書類を読み取る
- 音声を文字に変換する
- 過去の情報から回答候補を探す
- 複数の情報を整理する
- 次に行う作業の候補を提案する
- 自然な日本語による検索を可能にする
一方で、AIは常に正しい結果を出すとは限りません。
金額、日時、顧客名、契約内容など、間違いが許されない情報については、人による確認が必要です。
AIにすべてを任せるのではなく、「AIが原案や候補を作り、人が確認する」という役割分担から始めるのが現実的です。
活用例1.メール・社内文書の作成
中小企業で最も始めやすいAI活用の一つが、文章作成です。
例えば、次のような文章の原案を作れます。
- 顧客へのお礼メール
- 問い合わせへの回答
- 社内通知
- 会議の案内
- 商品やサービスの説明
- 求人原稿
- 業務マニュアル
- 報告書
- 挨拶文
- お詫び文
文章を一から考えるのではなく、AIに下書きを作らせ、担当者が内容を確認・修正します。
導入前
担当者が過去のメールを探し、相手や内容に合わせて書き直します。
文章作成に慣れていない社員の場合、短いメールでも時間がかかります。
AI活用後
要件や伝えたい内容をAIへ渡し、文章の原案を作ります。
担当者は、会社名、氏名、日時、金額、約束した内容などを確認してから送信します。
注意点
AIが事実と異なる内容を追加することがあります。
顧客への正式なメールは、必ず担当者が確認してください。
文章作成を含む事務作業への活用については、「AIで事務作業はどこまで効率化できる?中小企業の業務改善事例を紹介」でも解説しています。
活用例2.会議の文字起こしと議事録作成
会議後の議事録作成に時間がかかっている会社では、音声認識と生成AIを組み合わせて効率化できます。
AIは、会議の文字起こしから次の内容を整理できます。
- 会議の要点
- 決定事項
- 未決定事項
- 課題
- 担当者
- 期限
- 次回までに行うこと
導入前
担当者が会議中にメモを取り、終了後に内容を整理します。
会議時間と同じくらい、議事録作成に時間がかかる場合もあります。
AI活用後
会議の録音や文字起こしデータをAIに渡し、議事録の原案を作ります。
担当者は、固有名詞、数字、担当者、期限などを確認します。
注意点
会議参加者には、録音や文字起こしを行うことを事前に伝える必要があります。
また、機密性の高い会議では、使用するサービスのデータ取り扱いを確認してください。
活用例3.社内文書やマニュアルの検索
社内に資料が蓄積されていても、必要な情報を見つけられなければ活用できません。
例えば、次のような情報が複数の場所に保存されていることがあります。
- 業務マニュアル
- 就業規則
- 商品資料
- 過去の提案書
- 会議議事録
- 顧客からの質問と回答
- 技術資料
- トラブル対応記録
- 社内規程
- 契約書
AIを活用すると、「この作業はどう進めるのか」「以前、同じ問題が起きたときにどう対応したか」といった自然な質問で情報を探せるようになります。
導入前
フォルダを順番に開いたり、ファイル名やキーワードで検索したりします。
資料の保存場所を知っている社員に質問が集中することもあります。
AI活用後
質問内容に関連する社内資料を探し、該当部分や回答候補を表示します。
注意点
AIが資料に書かれていない内容を補わないよう、回答の根拠となった資料を確認できる仕組みが必要です。
また、社員ごとの閲覧権限を維持する必要があります。
活用例4.問い合わせ対応とFAQ作成
顧客から同じような問い合わせが繰り返される業務では、AIを回答支援に利用できます。
例えば、次のような問い合わせです。
- 営業時間を知りたい
- 料金やサービス内容を確認したい
- 必要書類を知りたい
- 操作方法を教えてほしい
- 予約を変更したい
- 商品の在庫を確認したい
- 担当部署を知りたい
導入前
担当者が問い合わせ内容を確認し、過去のメールやマニュアルを探して回答します。
担当者によって回答内容が異なる場合もあります。
AI活用後
問い合わせ内容を分類し、過去のFAQやマニュアルをもとに回答案を作ります。
担当者は内容を確認してから顧客へ送信します。
問い合わせ件数が多く、回答内容が定型化できる場合は、Webサイト上のAIチャットへ発展させることも考えられます。
注意点
契約、返金、クレームなど、個別判断が必要な問い合わせは、人へ引き継ぐ必要があります。
AIだけですべての問い合わせへ回答させないようにします。
活用例5.AIによる電話受付
電話対応は、業務を中断させる原因になります。
特に少人数の会社では、営業電話、問い合わせ、既存顧客からの連絡が同じ電話番号に入るため、社員がその都度作業を止めなければなりません。
AI電話受付では、AIが電話を受け、用件を聞き取ります。
例えば、次のような処理が考えられます。
- 営業電話か顧客からの電話かを判定する
- 会社名と氏名を聞き取る
- 電話番号を確認する
- サービス名と用件を整理する
- 顧客情報と電話番号を照合する
- 担当者へ通知する
- 必要に応じて折り返しを案内する
- 通話履歴を保存する
導入前
社員がすべての電話に出て、内容を聞いてから担当者へ取り次ぎます。
不要な営業電話であっても、一定の対応時間が必要です。
AI活用後
AIが最初の受付を行い、用件を整理して担当者へ通知します。
担当者は、通知内容を確認して対応の必要性を判断します。
注意点
AIの音声認識が、会社名、氏名、専門用語を正しく聞き取れないことがあります。
聞き取れない場合の再確認方法や、人へ切り替える条件を決めておく必要があります。
有限会社シーエスプラスでは、自社の営業電話対策と既存顧客対応のために、AI電話受付システムを開発しています。
活用例6.領収書・請求書の読み取り
経理業務では、領収書や請求書の画像から情報を読み取るAIを活用できます。
抽出できる情報には、次のようなものがあります。
- 利用日
- 支払先
- 金額
- 消費税額
- インボイス登録番号
- 支払方法
- 品目
- 勘定科目の候補
導入前
担当者が書類を見ながら、Excelや会計ソフトへ手入力します。
大量の領収書をまとめて処理する場合、入力と確認に長い時間がかかります。
AI活用後
領収書を撮影またはスキャンし、AIが必要な項目を読み取ります。
担当者は読み取り結果を確認し、必要な修正を行ってから登録します。
注意点
折れ、汚れ、影、手書き、複数税率、長いレシートなどによって、読み取り精度が下がることがあります。
AIが提案した勘定科目を、そのまま確定させない運用も必要です。
シーエスプラスでは、小規模事業者向けの経費処理システムと、会計事務所がまとめて領収書を処理するRBAIの開発を進めています。
活用例7.顧客管理と営業フォロー
顧客情報を登録していても、実際の営業活動に活用できていない会社があります。
例えば、次のような情報が分散します。
- 名刺
- メール
- 商談記録
- 電話メモ
- 見積書
- 問い合わせ履歴
- 顧客の関心事項
- 次回の対応予定
- 過去の購入内容
- 交流会で会った記録
AIを活用すると、これらの情報を整理し、次に必要な行動を提案できます。
AIで考えられる支援
- 名刺画像から会社名や氏名を読み取る
- 商談記録を要約する
- 顧客の課題や関心事項を抽出する
- 長期間連絡していない顧客を見つける
- 次回の連絡内容を提案する
- お礼メールの原案を作る
- 類似する顧客を整理する
- 対応漏れの可能性を通知する
注意点
AIが提案した相手に、機械的にメールを送信するだけでは、顧客との関係を損なう可能性があります。
最終的な連絡内容とタイミングは、担当者が判断します。
シーエスプラスでは、名刺情報、顧客情報、対応履歴、メール配信などを一元管理する顧客管理・営業支援システムを開発しています。
活用例8.ブログ・メールマガジン・SEO・GEO対策
AIは、Webサイトや広報に使用する文章の作成にも活用できます。
例えば、次のような作業です。
- ブログテーマの提案
- 記事構成の作成
- 文章の原案作成
- タイトル案の作成
- メタディスクリプションの作成
- FAQの整理
- メールマガジンの原案作成
- SNS投稿の作成
- 既存記事の要約
- 記事同士の内部リンク候補の整理
ただし、AIが作った一般的な文章をそのまま公開しても、競合記事との差別化はできません。
人が追加すべき情報
- 実際の経験
- 自社での取り組み
- 顧客から相談された内容
- 導入時に発生した問題
- 失敗と改善の経緯
- 独自のデータ
- 具体的な事例
- 専門家としての見解
SEO対策だけでなく、ChatGPT、GoogleのAI機能、Perplexityなどに引用されるGEO・LLMO対策でも、企業独自の経験や根拠が重要です。
AI検索対策については、「AI検索対策とは?SEOとの違いを中小企業向けにわかりやすく解説」でも紹介しています。
活用例9.データ集計と経営資料の作成
Excelやスプレッドシートに蓄積されたデータをAIで整理し、経営判断に使う方法もあります。
例えば、次のようなデータです。
- 月別売上
- 商品別売上
- 顧客別売上
- 問い合わせ件数
- 商談件数
- 成約率
- 在庫数
- 作業時間
- クレーム内容
- アンケート結果
AIは、数字の変化を説明したり、注目すべき項目を整理したりすることに利用できます。
AIで考えられる支援
- 前月や前年との比較
- 売上が増減した項目の抽出
- 顧客ごとの傾向整理
- 自由記述アンケートの分類
- 会議用の説明文作成
- 経営課題の候補提示
- グラフにすべき項目の提案
注意点
AIへ渡すデータが不正確であれば、分析結果も不正確になります。
売上集計の条件、期間、税込・税抜、キャンセル処理などを確認する必要があります。
また、AIが示した原因はあくまで仮説です。最終的な経営判断には、現場の状況や他の情報も必要です。
活用例10.業種固有の情報検索・入力支援
一般的なAIツールだけでなく、業種固有の業務に合わせたAIシステムを開発する方法もあります。
不動産業
大量の登記情報や物件情報から、自然な日本語で条件に合う物件を検索します。
例えば、「名古屋市中区で昭和58年以降に建てられた収益物件」といった条件を指定します。
介護事業
サービス実施記録、訪問介護計画書、アセスメントなどの入力を支援します。
現在利用している介護システムを置き換えず、Chrome拡張機能などを使って入力負担を減らす方法もあります。
製造業
検査画像から異常候補を検出したり、作業日報から設備の問題や改善事項を整理したりします。
建設・設備工事業
現場写真の分類、点検記録の整理、報告書作成、過去の工事資料の検索などに利用できます。
会計事務所
大量の領収書を読み取り、記帳代行業務に必要な情報を整理します。
業種固有のAIシステムでは、一般的なAIの知識だけでなく、実際の業務フローを理解することが重要です。
どの業務から始めるべきか
10種類の活用例を紹介しましたが、すべてを同時に始める必要はありません。
最初の対象には、次の条件を満たす業務を選びます。
- 毎日、毎週、毎月繰り返している
- 現在の作業時間を測定できる
- 入力と完成形が分かりやすい
- 間違いがあっても人が確認できる
- 対象となる社員が少ない
- 比較的短期間で試せる
- 機密性やリスクが低い
具体的な始め方については、「中小企業のAI活用は何から始める?名古屋のITコーディネータが30日間の進め方を解説」をご覧ください。
既存ツールと独自システムのどちらを使うか
AI活用には、大きく分けて次の2つの方法があります。
既存のAIツールを利用する
文章作成、要約、アイデア整理などは、ChatGPT、Gemini、Microsoft Copilot、Claudeなどで試せます。
比較的短期間、低コストで始められるのが特徴です。
独自のAIシステムを開発する
次のような要件がある場合は、独自システムを検討します。
- AIの結果を既存システムへ登録したい
- 顧客情報と連携したい
- 大量のデータを自動処理したい
- 社内文書だけを参照させたい
- 電話や音声をリアルタイムで処理したい
- 利用者ごとに権限を設定したい
- 処理履歴を保存したい
- 自社独自の業務ルールを組み込みたい
両者の違いについては、「AI活用コンサルタントとAIシステム開発会社の違い|名古屋の中小企業はどちらに相談すべき?」で詳しく解説しています。
AI活用で確認すべき費用対効果
AIの効果は、作業時間だけでなく、業務品質も含めて確認します。
時間に関する効果
- 1件当たりの処理時間
- 1か月に削減できた時間
- 回答までの時間
- 情報を探す時間
- 資料を作る時間
品質に関する効果
- 入力ミスの減少
- 対応漏れの減少
- 回答内容の均一化
- 顧客対応の迅速化
- 属人化の軽減
- 必要な情報の共有
費用に関する確認
- AIツールの利用料
- APIの利用料
- システム開発費
- 保守・改善費
- 社員研修費
- 社内担当者の作業時間
AIコンサルティングの費用や導入の流れについては、「名古屋の中小企業向けAIコンサルティングとは?支援内容・費用・導入の流れを解説」を参考にしてください。
AI活用で失敗しないための注意点
AI活用では、次の点に注意します。
- AI導入の目的を明確にする
- 現場担当者と一緒に進める
- 最初から大規模な仕組みを作らない
- AIの結果を人が確認する
- 入力してよい情報を決める
- 社員研修だけで終わらせない
- 導入効果を測定する
- 導入後も継続的に改善する
AI導入で失敗する原因については、「名古屋の中小企業がAI導入で失敗する7つの原因」をご覧ください。
AI活用の相談先を選ぶポイント
AIの活用範囲は、文章作成から独自システム開発まで幅広くなっています。
相談先を選ぶ際は、次の点を確認しましょう。
- 経営課題から整理してくれるか
- 現場の業務を確認してくれるか
- AIツールの紹介だけで終わらないか
- 小規模な試作に対応できるか
- システム開発にも対応できるか
- セキュリティを説明できるか
- 導入後の改善を支援できるか
- 自社でもAIを実務利用しているか
詳しい選び方については、「名古屋でAI活用コンサルタントを選ぶ7つのポイント」をご覧ください。
シーエスプラスのAI活用支援
有限会社シーエスプラスは、名古屋を拠点に、中小企業のAI活用、業務改善、AIシステム開発を支援しています。
当社では、AIツールの操作方法を説明するだけでなく、現在の業務を確認し、AIを活用できる部分を整理します。
必要に応じて、既存AIツールの活用、Google Workspaceとの連携、小規模な試作、独自システムの開発まで対応します。
当社が開発・運用している主な仕組みは次のとおりです。
- AI電話受付システム
- 小規模事業者向けAI経費処理システム
- 会計事務所向けAI領収書処理システム「RBAI」
- 顧客管理・営業支援システム
- 不動産登記情報のAI検索システム
- 介護システムへの入力を支援するChrome拡張機能
- SEOとGEOを組み合わせたAI検索対策
ITコーディネータとして、AIを導入すること自体ではなく、経営課題の解決と業務改善を目的に支援します。
よくある質問
AIで最も効率化しやすい業務は何ですか?
文章作成、要約、情報整理などは比較的始めやすい業務です。
ただし、企業によって負担になっている業務は異なります。現在の作業時間と頻度を確認して選ぶ必要があります。
AIで業務を完全に自動化できますか?
業務によっては自動化できますが、AIの結果には誤りが含まれる可能性があります。
最初は、AIが原案や候補を作り、人が確認する形から始めることをおすすめします。
ChatGPTだけで業務効率化できますか?
文章作成や要約などは、ChatGPTだけで改善できる場合があります。
自動登録、データ連携、権限管理、履歴保存などが必要になると、追加の仕組みや開発が必要です。
AI導入に高額な費用がかかりますか?
既存のAIツールを少人数で試す場合は、比較的低コストで始められます。
独自システムの開発や既存システムとの連携が必要な場合は、対象範囲に応じた開発費がかかります。
社員がAIを使いこなせるか心配です
一般的なAI研修だけでなく、自社業務に合わせた使い方と指示文のひな型を用意すると定着しやすくなります。
顧客情報をAIへ入力してもよいですか?
利用するサービスや契約プランによって、データの取り扱いが異なります。
顧客情報や機密情報を扱う場合は、利用条件と社内ルールを確認してください。
名古屋市外でも相談できますか?
オンラインを利用すれば、名古屋市外や愛知県外にも対応できます。現場確認が必要な場合は、訪問方法を個別に検討します。
まとめ|まずは一つの業務からAIを試す
名古屋の中小企業で考えられるAI活用例は、次の10種類です。
- メール・社内文書の作成
- 会議の文字起こしと議事録作成
- 社内文書やマニュアルの検索
- 問い合わせ対応とFAQ作成
- AIによる電話受付
- 領収書・請求書の読み取り
- 顧客管理と営業フォロー
- ブログ・メールマガジン・SEO・GEO対策
- データ集計と経営資料の作成
- 業種固有の情報検索・入力支援
すべてを同時に導入する必要はありません。
まずは、繰り返しが多く、効果を測定しやすく、人が結果を確認できる業務を一つ選びます。
小さく試し、効果を確認しながら対象範囲を広げることが、AI活用を成功させるポイントです。
名古屋でAIによる業務効率化をご検討の企業様へ
「自社のどの業務にAIを活用できるか知りたい」
「現在の業務を整理して、AI活用の優先順位を決めたい」
「既存のAIツールで対応できるか確認したい」
「AIを組み込んだ独自システムを開発したい」
このような課題がありましたら、有限会社シーエスプラスへご相談ください。
ITコーディネータが経営課題と現在の業務を確認し、AIを活用できる部分、既存ツールで改善できる部分、独自開発が必要な部分を整理します。
AIでビジネスを仕組み化し、実際の業務で継続して使える方法をご提案します。
